記事公開日:2022年8月5日
最終更新日:2022年8月5日
赤ちゃん誕生のお祝い(出産祝い)を贈ってくれた方々に対して「ありがとう」の気持ちを乗せてお返しを贈る、出産内祝い。大切に思ってくれている人たちに赤ちゃんを紹介する機会でもあります。出産内祝いは、赤ちゃんが生まれてから生後1カ月までに贈るのが一般的とされています。相手に喜んでもらえるよう、知っておきたい、ふまえておきたい出産内祝いのマナーや選び方をご紹介します。
出産内祝いとは、出産祝いを贈ってくれた方に対して贈るお返しのことを指します。元々「内祝い」とは「身内のお祝い」を意味していて、自分の家でおめでたいことが起きたときにその幸せを「おすそ分け」するという意味合いからできた風習です。出産内祝いのほかにも、結婚内祝いや新築内祝い、開店内祝いなどがあります。現在では、内祝いはおすそ分けではなく、あくまでもお祝いをくれた方へのお返しの贈り物の意味で使われます。
一方、出産祝いは出産した家族や親戚、友人に対しておめでとうの気持ちを込めて贈る贈り物となります。同じ贈り物でも「おめでとう」の意味を込めた出産祝いと「ありがとう」の意味を込めた出産内祝いでは、贈るマナーや気を付けるべき点が異なります。出産祝いをもらった人は必ず出産内祝いを贈らなければいけないのか?というと、必ずしもそうとは限りません。いただいた相手との関係性や贈り物の内容次第で検討するので問題ありませんが、贈り物をいただいたら何かしらの形で感謝の気持ちを表すことをおすすめします。
ここからは、出産祝いを贈る際に気を付けておきたいマナーや注意点をご紹介します。
出産内祝いを贈る時期ですが、一般的には出産してから1カ月後のお宮参りの時期に贈ることがよいとされています。遅くとも出産後2カ月以内には贈るようにしましょう。ただし、産後はお母さんの体調が優れない、慣れない新生児の育児で贈り物を検討する時間がないこともあるので、出産前の余裕のあるときに出産内祝いで贈りたいものを価格別に目途をつけておくとよいでしょう。
また、出産直後のタイミングではなく、出産後少し時間が経ってから出産祝いをいただくこともあるかと思います。その場合は出産祝いをいただいてから1カ月以内には出産内祝いを贈るとよいでしょう。相手が出産祝いを贈ったことの記憶が鮮明なうちにきちんと感謝の気持ちを届けましょう。
出産祝いをいただいた方々に直接会ってお礼を述べ、内祝いの品物を渡すと誠意が感じられます。しかし、多忙だったり遠方に住んでいたりする方もいて、お伺いするタイミングが取れないこともあります。こんなときは郵送にするとよいでしょう。訪ねていくと、かえって先方を恐縮させてしまうことがあります。ご自宅に配送する方が相手の都合で受け取ってもらうことができ、喜んでもらえることもあります。内祝いを贈るときは品物だけではなく、メッセージカードを付けて贈ることをおすすめします。最近は無料でメッセージカードがついてくるサービスもあるので活用しましょう。
出産内祝いの金額は、いただいたお祝いの2分の1から3分の1の金額が基本となります。お祝いをいただいた方との関係性によっても金額が異なるので注意しましょう。目上の方から高額なお祝いをもらった場合は、3分の1よりも少ない額とすることもあります。出産内祝いは、あくまでもいただいたお祝いに対する感謝の気持ちを示すものです。高額なお返しは逆に相手を恐縮させてしまうこともありますので、注意しましょう。
出産内祝いを贈る相手の家族や近しい方に不幸があった場合は、贈り物を贈るタイミングは気を付けましょう。出産はおめでたいことではありますが、不幸があった方にお祝いムードのある商品を贈ることは避けた方がよいとされています。
一般的には仏式の四十九日までが「忌中」とされ、この期間を過ぎたら「忌明け」となります。「忌明け」後は次の命日までを「喪中」とすることが多いですが、「喪中」であっても「忌明け」の時期であれば内祝いを贈ってもよいとされています。
しかし、亡くなった方が乳児や幼児である場合は、出産内祝いを贈ることは避けた方がよいでしょう。また、「忌明け」後であっても、相手の悲しみが癒えていないことは十分に考えられます。その場合は相手へのお悔やみを優先し、いただいた贈り物に対する感謝の気持ちを伝え、後日に心ばかりの品物を「内祝い」ではなく「御礼」として贈るとよいでしょう。受け取る相手の状況やTPOを考えて出産内祝いは検討しましょう。
出産内祝いののしには、包装紙の外側にかける「外のし」と品物の上にかけて包装紙で包む「内のし」があります。内祝いでは一般的にのしが必須となるので、家族や親しい友人の内祝いでは赤ちゃんの紹介が不要な場合もありますが、お互いの思い出になるので内祝いとして名前ののし紙はかけるとよいでしょう。
出産内祝いののしに関して、厳密なルールはないので内のしでも外のしでもよいとされています。一般的には、より控えめな印象がある内のしが好ましいとされる場合が多いですが、相手の住んでいる地域や関係性によってのしの種類を変えても問題ありません。
のしは水引の上部に「出産内祝」、もしくは「内祝」と書き、下部に赤ちゃんの名前を書きます。赤ちゃんの名前は、漢字が読みにくい場合も考え、ふりがなをつければ覚えてもらいやすくなり、丁寧な印象になります。赤ちゃんの名前をのしに書く理由は、この贈り物が赤ちゃんからのはじめての感謝の気持ちであるということ、また赤ちゃんの紹介も兼ねた機会だということを示しています。
のしは水引によって意味合いが異なってきます。出産内祝いは「蝶結び」を選びます。「蝶結び」は何度も結び直せるという意味から「何度繰り返してもうれしいこと」に使われます。「蝶結び」のほかにも「花結び」と呼ばれることもあります。これに対して結婚内祝いなどは基本一度きりのうれしいこととして結び切りを使うので、この機会に違いを覚えておきましょう。
出産祝いには必ずお礼状も付けて贈りましょう。お礼状の書き方やルールをきちんと確認した上で書き始めましょう。
お礼状の文章の構成は(1)いただいた品物への感謝(2)赤ちゃんの名前(読み方)、性別、名前の由来など(3)母子の様子(4)今後のお付き合いや指導のお願い、相手の健康を気遣う言葉などで締めくくります。内容は受け取る相手の気持ちや状況に配慮し、「お返し」という言葉は避けましょう。「もらったから返す」という義務的なニュアンスが強くなってしまいかねません。また、定型文を使うことも問題はありませんが、相手の状況を考えながら文章をしたためることで、より感謝の気持ちを表すことができるので、可能であれば贈る相手を考えながら文章をカスタマイズしてみましょう。
お礼状を出すタイミングはお祝いをいただいてから3日以内とし、その間に送りましょう。産後の状況ですぐにお礼状を用意できない場合はメールで感謝を伝えることもできますが、目上の方など、メールでのお礼をすることによくない印象を持つ方もいるので、メールを送るかどうかは慎重に判断しましょう。出産祝いをいただいたらすぐにお礼ができるように、出産前に便箋などを用意しておくことをおすすめします。
お礼状は白い便箋に黒かブルーのインクで書きます。封筒は白の無地を用いて、差出人は夫婦連名にしましょう。封は糊付けで、封じ目に記す字は「〆」「締」「封」と書きましょう。 上記が基本的な便箋と封筒の選び方や書き方ですが、相手との関係性次第では、赤ちゃんの写真入りカードにお礼を書いて送る、などの対応をしてもよいでしょう。相手に対して失礼ではないか、相手にちゃんと喜んでもらえるか、の観点を忘れずにお礼状は用意しましょう。
出産祝いをいただいたら電話かお礼状ですぐに感謝を伝えることを意識しましょう。相手は、贈った出産祝いが無事に届いているかを気にしますので、無事に届いていること、喜んでいることをまずは伝えましょう。お礼状を書くのがよいとされていますが、お礼状の発送が贈り物の到着から3日を過ぎそうな場合は先に電話することをおすすめします。
出産祝いをいただいた方には漏れなく内祝いを贈るようにしましょう。出産後は新生児の育児も始まり、やらなければならないこともたくさんあります。住所の確認や対象者のリストの作成、贈り物の候補を価格帯別に事前に選んでおくなど、出産前にできることはしておきましょう。
出産祝いは遅くとも出産後2カ月以内に贈ることがよいとされています。もし2カ月を過ぎてしまった場合には「遅くなってしまいました」と一言添えて内祝いを贈るとよいでしょう。場合によって2カ月を過ぎてからお祝いをいただくこともありますが、その場合は気を遣わせてしまったと相手に思わせないように内祝いは3週間くらい空けてから送りましょう。
贈る相手が住む地域における贈り物の慣習を事前にチェックすることをおすすめします。特に親戚や目上の方に対しては、失礼にあたらないように贈る時期、贈り物の金額、お礼状の内容について家族で相談の上贈るようにしましょう。
出産内祝いの品物を選ぶ際にはどんなことを考えて選べばよいでしょうか。ここではギフト選びのコツをご紹介します。
事前に贈る相手の好みをさりげなく調べておきましょう。お付き合いが浅くわからないようであれば、パートナーや双方の両親らと相談し、相手の好み、趣味、ライフスタイルなどを確認するとよいでしょう。それでも好みがわからない場合は、誰もが喜ぶ商品、年代別に好まれるギフトを調べて「間違いない」商品を選ぶことがおすすめです。
せっかく内祝いを選んで贈るのだから、相手には喜んでもらいたいですよね。昨今はあまりしきたりや風習を気にしない方も増えていますが、あまり快く思わない方もいらっしゃるので、失礼にならない商品選びを心掛けましょう。
日本茶は弔事で用いられることが多いため、お祝いごとの贈り物では避けた方がよいでしょう。ただし、飲み物は一般的に好まれるギフトでもあります。飲み物を選びたいのなら、紅茶やコーヒー、お子さんがいるおうちにはジュースのギフトセットにするなどの配慮をしましょう。
出産内祝いの贈り物であえて刃物を選ぶケースは少ないと思いますが、刃物は「縁を切る」ということを連想させることから贈り物には不向きだとされています。ただし「未来を切り拓く」という意味でとらえ、あえて用いる地方もあるようです。贈る相手の地域の慣習などをしっかりと踏まえて検討しましょう。
こちらも稀なケースかと思いますが、内祝いの贈り物に衣服を検討する場合も注意が必要です。内祝いに肌着を選んでしまうと、「着る物にも困るほど生活が苦しいのでは?」と思われていると受け取られてしまいかねません。靴や靴下などの履物も「踏みつける」とイメージされてしまう可能性があります。相手のサイズや好みも考慮しなければならなくなるので、直接身に着けるものを選ぶことはあまりおすすめしません。
出産内祝いに何を贈っていいかわからないという方は、一般的に出産内祝いとしてよく贈られている品物を選ぶことをおすすめします。相手が家族の場合、家族で楽しむことができて、日持ちのする食べ物、目上の方や独身の方には高級感があり実用的なものが贈られることが多いようです。
銘柄米は縁起がよいものです。普段はちょっと手が出しにくい高級品を贈ると喜ばれます。また、赤ちゃんの名前をパッケージに入れられるギフトや赤ちゃんの出生体重の重さのお米ギフトもあり、親しい方に贈るのにはうってつけです。
ドリンク類は賞味期限が長く、たくさんあっても困ることはありません。最近はおうち時間も増えて家でお酒を楽しむ方も増えているので、ビールの贈り物はアルコールが飲めない方でなければ喜ばれることでしょう。ジュースは子どもがいる家庭を中心にとても喜ばれる贈り物です。相手の好きな銘柄を贈る、店頭では並んでいない珍しい銘柄を贈るなどするとより印象深い内祝いギフトとなるでしょう。
相手の趣味や好みがよくわからない場合、また定番のギフトを贈りたいという場合におすすめなのがカタログギフトです。グルメギフトやタオルなどの定番アイテムから、ファッションアイテムまで選べるので、相手の好みに合わせてプレゼントを注文してもらうことが可能です。最近は価格別だけではなく、いろんな種類のカタログギフトがあるので、相手の年齢などを考慮して、ベストなカタログを選んでみましょう。
子どもがいる家庭や女性など、スイーツが好きな方に贈りたいお菓子ギフト。出産内祝いの定番の品物でもあります。有名ブランドのお菓子や、知る人ぞ知るお菓子を選んで、「忙しい毎日、おいしいお菓子でリラックスしてね」というメッセージを伝えることもできます。賞味期限は事前によく確認しておきましょう。
高級ブランドのだしパックやドレッシングも、料理をする人の間では人気の品物です。普段使いとは違い、とっておきの料理に使ってもらうことができます。相手の健康の健康を考え、食生活をグレードアップする印象を残すこともできるので、主婦の方がいるご家庭でも喜ばれることでしょう。
出産内祝いに何を贈ればいいか迷ってしまうこともあるかもしれません。ここでは、おすすめ内祝いギフトを紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
【1】日本橋 千疋屋総本店 ピュアフルーツジェリー(14個入)
リンゴの王様ふじ、芳醇な香りの白桃、さわやかな味わいの伊予柑、滑らかな舌触りのラ・フランス、酸味と甘みが絶妙なさくらんぼ、コクのある味わいのピオーネ。果物の個性とおいしさをフルーツジェリーとして閉じ込めました。箱を開けた瞬間目に飛び込んでくるジェリーの色合いは、まるで宝石のよう。
【2】ひととえ キュートセレクション
バラエティーに富んだ内容とビジュアルはまさにギフトにぴったり。スティック状のケーキは食べやすさでも人気を集めています。贈る相手を選ばず幅広い層の方々に喜んでいただけるギフトです。
【3】カタログ式ギフト サンクス Mimosa Yellow・ミモザイエロー
贈る相手の方に好きなものを選んでもらえるカタログ式ギフト。雑貨約1730点、グルメ約250点など、雑貨・グルメ・体験型ギフトが豊富にラインナップされているので、相手の方は自身のライフスタイルに合ったチョイスが可能に。幅広い世代の方にお喜びいただけるギフトです。
【4】ロディ ジュース5本&クッキーセット
世界各国の子どもに愛されるロディが描かれたジュース&クッキーセット。ジュースはオレンジ、リンゴ、グレープの3種類が味わえます。ほろっとした食感のクッキーはココアといちごを4枚ずつ詰め合わせ。ロディのコースターも付いているので、小さな子どものいるご家庭にぴったりなギフトです。
【5】寿々の蔵-SUZUNOKURA- WEL☆COME(米)BABY!
米袋に赤ちゃんの写真と名前、生年月日と体重がプリントされたお米ギフト。秋田県を代表するブランド米「あきたこまち」は喜ばれること間違いなし。赤ちゃんの顔をお披露目できるかわいいギフトです。
贈り物は誰にでも喜んでほしいものですが、自分の趣味や好みを押し付けるような形になってしまうと、受け取る相手が扱いに困ってしまうこともあります。
嫌いな食べ物や独特のデザインで趣味に合わない雑貨などをもらっても、相手は困ってしまいます。内祝いを贈る相手の趣味や好みを把握して選びましょう。相手の好みがわからない場合は、定番のギフトを贈ることをおすすめします。
賞味期限の短い食べ物も注意が必要です。贈る相手が旅行や出張などで長く家を留守にしている場合もあります。食べようと思ったときには賞味期限が切れていたということにもなりかねません。喜んでもらいたいと旬の果物を贈る場合もあるかと思いますが、その場合は事前に相手に贈っても問題ないかを確認してから贈るのがよいでしょう。