記事公開日:2023年12月20日
最終更新日:2024年7月26日
お祝いをいただいた場合、お返しをするのが基本的なマナー。これは出産祝いでも同様です。親からは多額の出産祝いをもらったという人も多いのでは?この記事では、親への出産内祝い(お返し)について、基本マナーを紹介するとともに、どんな品物を贈ればよいのかも具体的に紹介します。
赤ちゃんが生まれた際、親しい人や日頃お世話になっている人たちを家に招き、赤ちゃんのお披露目をしながら飲食を共にし、贈り物を贈って、喜びを分かち合うのが本来の「出産内祝い」。けれども、最近はいただいた出産祝いに対するお返しという意味で使われることが多くなっています。
親は身内という考え方もでき、親からの出産祝いに対してはお返しを贈らなくてもよいとされることもあります。ただ、親から独立して新しい所帯を持ち、子どもも生まれたわけですから、けじめとして内祝い(お返し)を贈るのがおすすめです。
子どもが生まれると、何かと物入りになります。親は「お祝いは気兼ねなく、全て赤ちゃんのために使ってほしい」と考え、「内祝い(お返し)はいらない」と申し出る場合も。その気持ちを汲んで、お礼はなしというのでも問題ありませんが、感謝の気持ちはしっかり伝えたいもの。大げさなお返しはしないとしても、「ありがとう」の言葉とともに親が好きなお菓子や食べ物などを贈ると喜ばれるでしょう。
内祝いを贈るのはお祝いごとが済んでからが基本です。出産祝いの場合は、赤ちゃんのお宮参りが済んだ頃(生後1カ月くらい)がよいでしょう。遅くとも生後2カ月くらいまでには贈るのかおすすめですが、ママや赤ちゃんの体調が悪い場合は無理をしないで大丈夫。内祝い(お返し)が遅れてしまった場合は、ギフトを贈る際におわびの言葉添えるといいでしょう。
お返しの金額の相場は、いただいたお祝いの3分の1〜2分の1くらいと言われています。親に対する内祝い(お返し)も、このマナーにのっとって考えるとよいでしょう。
親からの出産祝いは高額な場合も少なくありません。その場合は、相場よりも低い金額で構いません。お祝いの3分の1以下でのお返しでも、マナー違反にはあたりません。
親への出産内祝い(お返し)を贈る際、選んだ品物にはのし紙を掛けましょう。のし紙とは、掛け紙にのしと水引を印刷したものです。
水引は用途によって使い分けがあり、出産の内祝いでは赤白の蝶結び(花結び)のものを使用します。表書きは「出産内祝」「内祝」などで、水引の下段には親ではなく赤ちゃんの名前のみを筆または筆ペンで書き入れます。できればふりがなをふるのがおすすめです。
のし紙は包装紙の上から掛ける外のしと、包装紙の下に掛ける内のしがあります。お返しの品を対面で渡すのなら外のし、配送するのであればのしが汚れたり、破れたりするのを防ぐために内のしにするのがよいでしょう。
なお、「ゼクシィ内祝い」なら、のし紙にも対応していて、安心して贈れます。
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お祝いのお返しは品物で贈るのが一般的。食べ物や飲み物、タオル、バス用品など、食べたり使ったりしてなくなってしまうものがよいとされています。ただし、親へのお返しであれば、「かわいい孫の誕生の記念」ということで、手元に残るものを贈るのもよいでしょう。
贈り物は相手に喜ばれるものであるのが基本です。これはお祝いのお返しにも言えること。ですから、内祝いの品物は親の好きな食べ物や飲み物、趣味のグッズ、好みに合ったものから選ぶのがおすすめです。
また、出産の内祝いには、赤ちゃんの名前や写真などをあしらった「名入れギフト」も人気があります。フォトフレームに赤ちゃんの写真を入れて贈るのも喜ばれるでしょう。
「切れる」に通じる刃物や「苦死」を連想させるくしをはじめ、生活必需品である肌着や靴下(目上の人に対して)や、「手巾」という漢字が「手切れ」に通じるハンカチなど、内祝いにはふさわしくないとされる品物があります。最近は気にしない人も増えていますが、マナーにこだわる親には贈らない方が無難でしょう。
商品券やギフトカードは金額がはっきりわかるため、相手に不快感を抱かせる可能性があります。ただ、ギフトカードなら好きなものを購入してもらえ、購入のタイミングを選ばないというメリットがあるので、親に打診してみて快く受け取ってもらえそうであれば、問題はありません。贈る際には、親が使いやすい商品券やギフトカードを選ぶようにしましょう。
どんなものを贈ったら喜ばれるかよくわからない場合や、こだわりが強い親へは、好きなものを自由に選んでもらえるカタログギフトがおすすめです。なかでもイチオシは、赤ちゃんが表紙になったもの。赤ちゃんの名前はもちろん、誕生日や出生時の身長・体重も入れられるほか、裏にはメッセージも添えられます。かわいい孫が表紙にプリントされたカタログギフトは、プレゼントを選び終わった後も、きっと宝物になるに違いありません。
赤ちゃんの名前や写真などを入れた品物は出産内祝いでは不動の人気を誇ります。なかでも人気が高いのは、赤ちゃんが生まれたときの体重と同じ重さのお米を贈る体重米ギフト。こだわりのお米を詰めたギフトは、とくに遠方に住んでいてなかなか赤ちゃんに会えない親におすすめです。
名入れギフトは体重米のほかにも、バラエティ豊かに揃います。定番のスイーツはもちろん、飲み物や食べ物などがあるので、親の好みに合わせて選びましょう。赤ちゃんの名前だけならさりげないですし、出産祝いらしさもあります。写真入りはちょっと気恥ずかしいと感じる人にもおすすめです。
小人数で住んでいる親には、少量でも高品質なグルメギフトもおすすめ。親の好みに合わせて、喜ばれそうな味を探してみましょう。冷蔵・冷凍品を贈る場合は事前に連絡をして、冷蔵庫のスペースを空けておいてもらうようにお願いしておくとよいでしょう。
親からは高額のお祝いをもらうことも多いでしょう。1品だけでお返しに見合うものが選べない場合は、組み合わせギフトにするのがおすすめです。無理やり1品を選ぶよりも、より相手の好みに合ったものを選べる可能性も高くなります。カタログギフトやフォトフレーム、タオルなどにお菓子を組み合わせたギフトは特別感もあり、きっと喜んでもらえるでしょう。
親への出産内祝い(お返し)は、可能であれば対面で渡すのがおすすめです。ただ、遠方だったり、ママの体調なども考慮して、難しいようであれば配送するのでも構いません。配送する場合は、前述したようにのし紙は内のしにするのがおすすめです。
配送する際には、事前に電話やSNSなどでお返しの品を贈ることを伝えておきましょう。その上で、簡単なメッセージカードを付けると、さらに気持ちが伝わるでしょう。
なお、ネット通販などでは、メッセージカードを同封できるサービスを行っているところもあります。「ゼクシィ内祝い」ではメッセージカードが無料。赤ちゃんの写真やオリジナルの文章を入れることもできます。
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妊娠から出産までの間、親にさまざまなサポートをしてもらったという人も少なくないのでは?また、これから子育てをしていく上で、さらなる協力を仰ぐこともあるかもしれません。出産内祝いを贈るタイミングで、少し改まって親へ感謝の気持ちを伝えるのもおすすめです。手紙につづるのであれば普段は照れ臭くて言えないことも素直に伝えられるはずです。親にとっても記念として残しておけるので、きっとうれしいに違いありません。
妊娠したときから出産まで、本当にいろいろ面倒を見てくれてありがとう。
つわりがひどくてほとんど起き上がれなかったとき、○○さん(夫)もちょうどプロジェクトが大詰めで深夜の帰宅が続いていたので、お母さんが家に来て家事をやってくれたのは本当に助かりました。その上、たくさんのお祝いまでいただき、感謝でいっぱいです。
出産後も実家でしばらく休めたのは、本当にありがたかったよ。○○さんも「お母さんには足を向けて寝られない」と、いつも言っています。
□□ちゃんのお世話は本当に大変だけれど、笑顔を見ると疲れも癒されます。□□ちゃんの寝顔を見ながら、お父さんとお母さんもこんな大変な思いをして私を育ててくれたんだと、ふと思うことがあります。
慣れない育児は不安しかないけれど、○○さんと力を合わせてがんばります!子育ての大先輩として頼りにしているので、これからもどうぞよろしくね。お祝いのお礼にお肉を贈りました。ふたりで一緒に食べてね。また今度3人で遊びに行きます。
お父さん、お母さん、このたびは□□(赤ちゃん)のためにお祝いをくださり、本当にありがとうございました。また、妊娠中から出産後までいろいろお気遣いいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
出産から1カ月が経ちましたが、まだまだ慣れないことが多く、てんやわんやの毎日です。○○さんは相変わらず仕事は忙しいものの、早く帰れるときは□□を沐浴させてくれたりして、とても助かっています。新米パパママですが、早くも子育ての大変さを身にしみて感じており、○○さんとふたりで改めて親のありがたさを実感しているところです。これからも子育てについてご相談したり、サポートをお願いすることもあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
お祝いのお礼に心ばかりの品をお贈りしました。お父さんとお母さんがお好きなうなぎです。電子レンジで簡単に食べられるものですので、お好きなときに召し上がってください。近いうちに、3人でお邪魔させてくださいね。
きょうだいや親戚、友だち、職場への出産内祝いも、基本のマナーは変わりません。
内祝い(お返し)を贈るタイミングは、赤ちゃんの誕生から1カ月以内、またはお祝いをいただいてから3週間以内がマナーですが、ママや赤ちゃんの体調に合わせて、無理のない範囲で対応しましょう。なお、お祝いをいただいたら、3日以内を目安に電話や手紙などでお礼を伝えます。親しい間柄であれば、メールやSNSでも構いません。
金額はいただいたお祝いの3分の1〜2分の1程度が目安です。連名のお祝いなどで1名分が低い金額の場合は、半額〜同額を目安としましょう。
贈る品物は相手の趣味や好みに合ったものを。家族構成や年齢、ライフスタイルも考慮するとよいでしょう。食べ物は日持ちのするものを選び、職場などへ贈る場合は個装のものがおすすめです。親戚への内祝い(お返し)で、何を贈ったらいいかわからないときは親に相談するとよいでしょう。
友だちへの出産内祝い(お返し)はこちらの記事をチェック!
職場への出産内祝い(お返し)はこちらの記事をチェック!
出産後は何かと忙しいもの。身内の気軽さから親への出産内祝い(お返し)はつい後回しにしてしまいがちですが、きちんと感謝の気持ちを伝えたいものです。
岩下宣子さん マナーデザイナー
マナーデザイナー。「現代礼法研究所」主宰。NPOマナー教育サポート協会理事・相談役。全日本作法会の内田宗輝氏、小笠原流・小笠原清信氏のもとでマナーや作法を学び、マナーデザイナーとして独立。企業や学校、公共団体などで指導や講演会を行うほか、多数の著作も手掛ける。
※記事中のデータおよびコメントは、2023年6月に20〜70代の男女312人が回答したマクロミル調査によります