記事公開日:2019年8月30日
最終更新日:2024年6月5日
職場の上司から結婚のお祝いをいただいたら……。ありがたいものの、お返しはどうすればいいの?と悩む人は多いのではないでしょうか。この記事では、上司からお祝いをいただいたときの対処方法やマナー、おすすめのギフトなどをご紹介します。
みなさんは「結婚内祝い」という言葉を聞いたことがありますか。現在は、お祝いのお返しと同じ意味で使われることが多いのですが、本来は、お祝いごとがあった際に周囲の人たちへ報告し、感謝の気持ちとしてお祝いのお膳でもてなしたり、ご近所にお赤飯などをお福分けしたりすることを指します。時代が進むにつれて、本来の内祝いが行われなくなったため、内祝いとお返しが同じ意味で用いられるようになったのです。
結婚内祝いは、結婚式に出席しないで、お祝いをくれた人に対して贈るものです。結婚式に出席する人に対しては、贈る必要はありません。ですから、結婚式に出席しない上司からお祝いをいただいたら、内祝い(お返し)を贈る必要があります。
内祝いの金額の相場は、いただいたお祝いの金額の2分の1〜3分の1が目安です。なお、高額のお祝いをいただいた場合は、相場よりも低めの金額でも構いません。
内祝いはお祝いごとが終わってから贈るのが基本です。結婚内祝いの場合は、結婚式後1カ月以内に贈ります。なお、結婚式を挙げない場合や未定の場合は、婚姻届を提出した後に送るとよいでしょう。すでに婚姻届を提出している場合は、お祝いをいただいてから1カ月以内を目安とします。
お返しの品を贈るのは後になりますが、お祝いをいただいたら3日以内に感謝の気持ちを伝えましょう。日々顔を合わせる上司であれば、勤務時間外を見計らって直接お礼を言いましょう。会って伝えるのが難しい場合は、電話やメール、SNSなどで「本来ならお目にかかってお礼をお伝えするところですが……」と一言入れて、お礼の言葉を続けます。
部下の負担を慮ってお返しは不要の旨を伝えてくる上司もいるかもしれません。その際は、相手の気持ちをくみ取って、大げさな内祝いをするのは避けた方がよいかもしれません。とはいえ、全くお返しをしないのではなく、新婚旅行のお土産を渡したり、人気のお菓子などを「お好きだと伺ったので。ほんの気持ちです」などど言って渡すのがおすすめです。
贈り物の基本は「もらってうれしいもの」です。選ぶ際は相手の立場になり、ライフスタイル、家族構成、趣味などから、ふさわしいものを選ぶとよいでしょう。年配の上司の場合は量よりも質の選び方を。好みなどがわからない場合は、相手に好きなものを選んでもらえるカタログ式ギフトもおすすめです。カタログ式ギフトは価格帯はもちろん、ジャンルもさまざま。人気のグルメや憧れのブランド、宿泊やレストラン、レジャー体験までありますから、相手にふさわしいものを選ぶのが喜ばれるポイントです。
「切れる」に通じる刃物や、「手切れ」に通じるハンカチ(漢字で「手巾」と書くため)はNGです。また、目上の人に対しては、靴下やスリッパなど踏みつけるもの、「これを使って仕事を頑張れ」との意味になる筆記用具やかばん、時計なども、贈らない方がよいとされます。最近ではあまり気にしない人も多くなっているようですが、これらの品物を贈る際には「マナー違反と存じますが……」と一言添えて、なぜその品物をあえて選んだかを伝えるとよいでしょう。
掛け紙にのしと水引が印刷されたものをのし紙といいます。結婚祝いにはこののし紙を掛けるのがマナーです。水引は赤白の結び切り(結び留め)あるいはあわじ結び(あわび結び)を。慶事なので水引の本数は5本、7本、9本など奇数がおすすめ。本数が多いほど格が上がりますが、9本は苦につながるとして嫌う人もいるようです。5本の水引を2倍にした10本の水引は婚礼関係ではよく用いられます。
表書きは「内祝」または「寿」とあるものを選びます。名前は水引の下の部分に、「寿」などの字よりもやや小さめに新姓または夫婦の名前を、毛筆または筆ペンで書き入れます。夫婦の名前を入れる場合は、右から順に夫の名前、妻の名前とします。なお、「ゼクシィ内祝い」なら、のし紙にも対応していて、安心して贈れます。
「ゼクシィ内祝い」ののし紙をチェック!
お返しの品物は手渡しをして、直接お礼を伝えたいもの。小さなものなら手渡しもありですが、職場でかさばる品物を手渡しするのはおすすめできません。その場合は、上司の家へ配送するのがよいでしょう。毎日顔を合わせる上司であれば、直接声をかけ、内祝いの品を贈った旨と感謝の気持ち、新生活への抱負などを伝えるとよいでしょう。
顔を合わせない上司であれば、品物の中に送り状を添えます。品物の中に入れられない場合は、品物と同じくらいか1〜2日前に届くように手配するのがお勧めです。お祝いを頂いたお礼をはじめ、結婚式に出席してもらえなくて残念だったという気持ち、新生活の抱負やどんなふうに暮らしているかなどを書くと良いでしょう。なお、日頃からメールなどで連絡を取り合っているのなら、そうしたツールで連絡しても構いません。
謹啓
菊薫る季節となりましたが
いかがお過ごしですか
先日は私たちの結婚に際し
ごていねいなお祝いのお手紙と過分なお祝い金を頂き
誠にありがとうございました
本来なら式にもご出席いただきたいと存じましたが
ごく身内での式となり失礼申し上げました
ささやかではありますが
心を込めてお礼の品を選びました
お納めください
これから寒い冬がやってきます
お体にお気を付けてお過ごしください
略儀ながら書中にてお礼申し上げます
謹言(謹白)
なお、ネット通販などでは、メッセージカードを同封できるサービスを行っているところもあります。「ゼクシィ内祝い」ではメッセージカードが無料。ふたりの写真やオリジナルの文章を入れることもできます。
「ゼクシィ内祝い」のメッセージカードをチェック!
結婚の内祝いはこれからの良好なお付き合いのためにも必要なものです。失礼のないようにマナーを確認し、気持ちを添えて贈りましょう。
岩下宣子さん マナーデザイナー
「現代礼法研究所」主宰。NPOマナー教育サポート協会理事・相談役。全日本作法会の内田宗輝氏、小笠原流・小笠原清信氏のもとでマナーや作法を学び、マナーデザイナーとして独立。企業や学校、公共団体などで指導や講演会を行うほか、多数の著作も手掛ける。