記事公開日:2022年4月15日
最終更新日:2022年7月20日
本来、入園・入学のお祝いは両親ではなく子どもに贈るもので、お返しをする必要はないと言われることもありますが、やはりお祝いをいただいたのに何もしないのは気が引けますよね。そこで多くの保護者は子どもに代わり、「入園・入学内祝い」としてお返しをしています。ここでは内祝いを贈る際の「のし」のマナーについてご紹介しましょう。
入園・入学のお祝いは身内同士で行うことが多く、渡す相手も「子ども本人」ということもあり、お返しをする必要はないとされています。とはいえ、お祝いしてくれた気持ちに対して何らかのお返しをしたいのは当然の気持ち。地域によってもしきたりや慣習は異なりますし、親族間での取り決めがあるかもしれません。同じ年頃の子どもがいる家庭同士なら、お互いさまということでお礼の言葉だけで済ませるケースも少なくありません。迷ったら双方の親や経験者でもあるきょうだいなどに確認してみてください。
のし(熨斗)とは、贈り物に掛けるのし紙の右上に付いている飾りのこと。もともとはアワビを薄く伸ばして干したもので、不老不死の縁起物として慶事の贈り物に添えられていました。その後、時代と共に簡略化され、今ではのしと水引が印刷された「のし紙」を使うのが一般的になりました。
入園・入学祝いももちろん慶事のお祝いですので、お返しをする場合にはきちんとのしを付けて(のし紙をかけて)贈りましょう。
赤白の蝶結び(花結びという言い方もあり)を選びましょう。入園・入学は何度繰り返してもよい慶事なので、水引もそれにあやかって何度でも結び直すことのできる蝶結びにします。
水引の上側に「入学内祝」または「内祝」の文字を、下側には子ども本人の名前を入れます
小学生までの子どもは下の名前だけを記しますが、中学入学以降はフルネームで入れます。名前の部分だけ、子どもが書いてもいいでしょう
内祝いののし紙は「内のし」にし、その上から包装紙を掛けます。これは「のし紙まで含めての贈り物」という考え方によるもので、配送時に汚れたり破れたりするのを避ける意味もあります
おめでたいことへのお返しは「半返し」と昔から言われていて、入園・入学のお祝いへのお返しもいただいた金額の半分程度を目安に考えるといいでしょう。とはいえ祖母・祖父がかわいい孫のために奮発し、ランドセルなど高価な品を贈ってくれたり多額のお祝い金を包んでくれるのもよくある光景。そんな場合は半返しではなく3分の1程度、もしくはもっと少なめでも問題はありません。
内祝いの品はお祝いの額によっても異なりますが、手頃なところだとお菓子や冷凍のお赤飯、使い勝手のよいタオルなど、少し値の張るものなら豪華グルメが掲載されたカタログ式ギフトなどがおすすめです。近しい間柄の親族には入園・入学式の写真や動画を添えて渡すと喜ばれます。
入園・入学祝いのお返しをするのは子ども自身なので、親しい身内に宛てたものならのし紙への名入れは子どもが自分で行っても大丈夫。自分で書くことによって、子ども自身にもお祝いしてもらったことへの感謝の気持ちが芽生えますし、相手にも喜んでもらえます。手紙やメッセージカード、絵でも構いません。その場合、保護者からのお礼状も併せて添えておくといいでしょう。
入園・入学といった慶事の贈り物に欠かせない「のし紙」。水引や表書き、内のしなど、知っておくべき基本のマナーを押さえた上で、ありがとうの気持ちを形にして贈りましょう。
岩下宣子さん マナーデザイナー
幼稚園や保育園への入園は、子どもにとっても保護者にとっても非常に喜ばしいイベントです。子どもの成長を見守る親族は、入園祝いでお祝いの気持ちを表しましょう。現金の場合はマナーをきちんと守り贈ること、品物の場合は事前に保護者に要望や条件を聞いてアイテム選びをすることが大切です。
大切な家族の節目、素敵なお祝いができますように。