記事公開日:2023年1月18日
最終更新日:2023年1月18日
子どもの入学は、本人はもちろん周囲の大人たちにとっても喜ばしくておめでたいこと。特に小学校への入学は子どもの成長をひしひしと感じる一大イベントです。身内や親しい間柄の友人・知人のお子さんが入学を迎える際には、ぜひ「入学祝い」を贈りましょう。
「入学祝い」は親ではなく、子どもに贈るお祝いです。祖父母やおじ・おばといった3親等以内の親族から贈られるのが一般的ですが、親戚付き合いは各家庭で異なるので、日頃の交流の度合いによって決めてもよいでしょう。親族以外では、家族ぐるみで親しくしている知人などがお祝いしてくれるケースもあります。
入学祝いの金額は贈る相手との関係によって異なります。下記の相場を参考に無理のない範囲で金額を決めましょう。入学祝いは身内のお祝いなので、親族以外の人は「おめでとう」という言葉でのお祝いだけでも十分ですが、贈る場合は以下を目安に。
・祖父母……1~5万円
・おじ・おば……5000円~1万円
・親しい知人……3000~5000円(贈る場合)
現金を包んで必要なものを購入してもらう方法もありますが、小学生などまだ小さいうちは思い出に残るプレゼントがおすすめ。現金にお菓子など手頃な価格のギフトを添えてもよいでしょう。
入学祝いには文房具や学習図鑑、図書カードといった学習に役立つ実用品や、服、靴、バッグ、目覚まし時計などさまざまな選択肢がありますが、贈る場合には注意も必要です。例えば文房具や図書カードなどの消耗品はいくつあっても構いませんが、目覚まし時計などは1つで十分ですよね。そんな事態を避けるためには、前もって親に確認したり、リクエストを聞いておくと安心です。
ちなみにランドセルや学習机、自転車といった高価なプレゼントは、祖父母から贈られるケースが多いようです。
お祝いは入学式に間に合うよう贈るのがマナーです。時期的には3月初旬~中旬あたり、遅くても式の1週間前までには贈るよう心掛けましょう。
ただし受験を経て入学する場合には、合格発表を待ってから贈りたいもの。万が一時期を逃してしまっても、「お祝いが遅くなってごめんなさい」と一言お詫びの言葉を添えて贈れば、入学式以降になっても問題はありません。
入学祝いを現金で包む場合には慶事用のご祝儀袋を用います。入学は何度あってもよいお祝いごとなので、繰り返し結べる「蝶結び」の水引(赤白や金銀)を選びましょう。品物で贈る場合は配送時に贈り物が汚れたり破れたりしないよう、のしは「内のし」にします。
表書きは以下の通り。シンプルに「御入学祝」でも構わないのですが、中には4文字の「四」という数字を忌み嫌う人がいるので、その場合は「祝 御入学」のように1文字空けて5文字に見せる方法もあります。
・ご入学 御祝(2行に分け、「ご入学」を御祝の右上に小さく入れる)
・御入学御祝
・祝 御入学(祝を大きく書き、1文字空けて御入学と書いて5文字に)
また表書きについては、もともと「目録」が簡素化されて表書きになった歴史があります。そのため、「文具料」「ランドセル料」というように、購入してほしい具体的な品物名を入れても構いません。
顔を見ながら直接手渡しするのが理想ですが、なかなか会えない場合は郵送や宅配で送っても問題ありません。
お祝いを贈る際には品物だけを送り付けるのではなく、「入学おめでとうございます」と、短い言葉でもいいので、一言添えるだけでお祝いの気持ちがより相手に伝わります。
卒園と小学校の入学は時期的に近いため、どちらを祝うべきか迷ってしまいますが、お祝いごとでは「先にあること」を優先するのがマナー。従って、お祝いを贈るなら「入学祝い」にし、卒園時にはお祝いの言葉を掛けておくとスマートです。
子どもの成長を共に喜び、親しい親族がお祝いの気持ちを贈る入学祝い。大事な節目のイベントでもあるので、子どもにも親にも素敵な思い出となるような贈り物をしましょう。
岩下宣子さん マナーデザイナー
現代礼法研究所主宰。NPO法人マナー教育サポート協会理事・相談役。企業をはじめ、学校・商工会議所・公共団体などで、マナー指導や講演などを行う。「マナーとは相手を思いやること」を信条に、ゼクシィでも悩める花嫁さんへの愛あるアドバイスでおなじみ。マナーに関する著書多数。