結婚祝いの「のし」の正しい書き方とは?水引や表書きの基本ルールを紹介

結婚祝いの「のし」の正しい書き方とは?水引や表書きの基本ルールを紹介

お祝いを贈るとき、のし(熨斗)は必要?大切な人に心を込めて結婚祝いを贈るときに「大丈夫かな?」と不安にならないよう、基本的なマナーを解説します。

結婚祝いの「のし」とは?

のし(熨斗)の由来は、あわびを薄く伸ばして干した「熨斗鮑(のしあわび)」から来ています。縁起物で、神さまへの供えものや儀式用の肴(さかな)に用いられていましたが、贈り物に添えるスタイルへと変化していきました。熨斗鮑は貴重で手軽に入手できないため、次第に紙を折った「熨斗」で代用する風習に変化し、水引と熨斗が印刷されたのし紙を贈り物に掛けるスタイルが一般的になりました。

「そもそも『のし紙』は掛けたほうが良いの?」と思うかもしれませんが、掛けるのがおすすめ。のしと水引には長い歴史の中で相手の幸せを願う意味が込められています。贈る相手の関係性にもよりますが「のし紙は掛けるべき」と覚えておきましょう。結婚祝いとして現金を贈る際は「ご祝儀袋」、プレゼントには「のし紙」を掛けるとよいです。

結婚祝いの「のし」の基本ルール(1)水引

結婚祝いの贈り物にかける“のし紙”は、のしと水引を紙に印刷したものです。お祝い事なので、赤白や金銀の水引が描かれたのし紙を選びましょう。水引には、封印=未開封という意味や人と人を結び付けるという意味があると言われています。

日本では、祝い事の水引は奇数が基本。ただ9は苦に通じるので使わず、結婚の際には5本の水引を2束=10本のものを使うことが一般的です。

●結びきり(水引10本)

結婚の際の最上級ののし紙。5本×2束で、両家の結び付きを表しています。内祝いにも使われます。

●あわじ結び(あわび結び)

結びきりの「切り」という言葉を避けて、結婚する人にお祝いを贈る際には、あわじ結びなどを選びましょう。蝶結びは、結婚祝いではNGなので気を付けてください。

結婚祝いの「のし」の基本ルール(2)表書き

表書きとはもともとは目録で、何を贈るかを書いたものから「贈る目的」を書くようになりました。「寿」「御結婚御祝」など結婚祝いにふさわしいものを選びましょう。文字を書く際は、毛筆や筆ペンを用いるのが基本で、濃い墨で書いてください。のしは品物を購入するお店に掛けてもらうことが多いため、使う用途を「結婚祝い」と伝えればお店側が選んでくれます。

結婚祝いの「のし」の基本ルール(3)名入れ

名入れで、名字だけ書くのは実は尊大な書き方になります。フルネームだと「私は大した人物ではないので、下の名前まで書かないとわからないと思います」という意味になり、謙遜した書き方といえます。 普段、職場や友人内で旧姓を使っている人も新姓で贈るのがマナーです。「誰かわからないかも」と不安なら、メッセージカードに名前を書く際に旧姓を添えるとよいでしょう。

夫婦で贈る場合は、中央に夫の姓名、左側に妻の名前を書くのが一般的。友人同士で贈る場合は、五十音順で記載し、文字は同じ大きさで書きましょう。4人以上なら「友人一同」と記載し、全員の名前はメッセージカードなどに書くとよいです。

結婚祝いの「のし」の基本ルール(4)包装の仕方

包装紙の上からのし紙をかけるのを「外のし」、のし紙をかけた箱を包装紙でくるむ形式を「内のし」といいます。表書きが見える外のしは、どうしてその物を贈られたのかわかりやすいので、記念品や内祝い、おわびの品などの場合に用います。結婚祝いは基本的には「外のし」で贈りましょう。内のしは、のし紙の上から包装するので、手土産などのし紙を汚さずに届けたいときに使います。

のし以外のラッピングをする場合、カジュアルな感じにはなりますが、洋式の贈り方としてリボンで素敵にラッピングしてもらってもよいです。メッセージカードを付けると喜ばれます。

まとめ

結婚祝いは、大切な人へ祝福の気持ちを伝える贈り物です。品物選びはもちろん、のしの選び方や書き方にも気を付けて、失礼のないようにすることが大切です。マナーを知り心のこもった贈り物にしましょう。

監修

岩下宣子さん マナーデザイナー

現代礼法研究所主宰。NPO法人マナー教育サポート協会理事・相談役。企業をはじめ、学校・商工会議所・公共団体などで、マナー指導や講演などを行う。「マナーとは相手を思いやること」を信条に、ゼクシィでも悩める花嫁さんへの愛あるアドバイスでおなじみ。マナーに関する著書多数。

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