記事公開日:2019年8月30日
最終更新日:2022年7月21日
新郎新婦を祝福し、その気持ちをご祝儀や品物に込めて贈る結婚祝い。新郎新婦はそのお礼に対するお返しを贈ることが一般的です。ただし、新郎新婦にとっては経済的負担や気苦労を抱えてしまうこともないとは言えません。ですので「お返しは必要ありません」との意思を伝えようと考える人もいらっしゃるかと思います。お返しが不要との意思を伝える方法や、お返しをしなくてもよいケースについて確認していきましょう。
結婚祝いのお返しは、結婚祝いの2分の1(半返し)から3分の1の額にあたるギフトを1カ月以内に贈るのが基本とされています。
ただ、結婚祝いを贈る際、新郎新婦にお返しのための経済的な負担をかけたり、「お返しが、いただいたお祝いに見合っていなかったらどうしよう?」という気苦労を与えたりすることを避けるため、お返しを辞退したいと考える人もいます。こうした場合、どのようにその意向を伝えればよいのでしょうか。
結婚祝いのお返しを辞退したいときは、結婚祝いを渡すときに「お返しは不要です」と直接伝えましょう。手紙やメッセージカードを同封し、重ねて辞退する旨を伝えるのもあり。手紙やメッセージカードを添えると、「本当にお返しは不要」という気持ちを伝えることができます。
結婚祝いのお返しは不要だと口頭で伝える際、「気持ちだけだから」「本当にいらない」とはっきりと意思を示すことがポイントになります。口頭での伝え方を見ていきましょう。
(例)
・お返しは本当にいりませんよ。
・気持ちだけの贈り物にしていますので。
・気持ちだけですから、受け取っていただけるだけでうれしいです。
手紙やメッセージカードを同封したうえで結婚祝いのお返しは不要だと伝える場合、文面に「辞退」という言葉をはっきり書きます。
(例)
・お返しは辞退申し上げます。
・お返しは遠慮申し上げます。
・この度はご結婚おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。わずかばかりの気持ちでございますので、お返し等はご辞退申し上げます。
・ほんの気持ばかりですので、お気遣いなさらぬようにお願いします。
お祝いをしていただいた場合、お返しをするのが基本です。お返しがないのは「片祝い」といわれ、縁起がよくないと考える人も中にはいらっしゃいます。結婚祝いをいただく際に「お返しはいらない」と相手が口にしたとしても、それを真に受けてしまうと「マナーをわきまえていない」と思われてしまう可能性もあります。もしどうしても心配なときは、「気持ちだけお返しさせていただきます」と伝えたうえでいただいた金額の3分の1程度のお返しをしましょう。手紙やメッセージカードで「お返しは不要です」と明示されていた場合は、感謝の気持ちを記したお礼状を書くことをおすすめします。
結婚式に出席していただき引き出物をお渡しした場合はお返し不要です。振舞われた料理と引き出物がお祝いのお返しとなるからです。また、会社の制度として結婚祝いをいただいた場合は、福利厚生とみなすため、基本的にお返しは不要です。
日頃、お世話になっている会社の上司から結婚祝いをいただいた際、「お返しはいらない」と言われたらどうすべきでしょうか。まず、「お返しに対するお心遣いまでいただきありがとうございます」と率直に感謝の気持ちを伝えましょう。その上司が親と同世代以上でしたら、お返しをした方がよいと考えられます。世代が離れるほど社交辞令で「お返しはいらない」と口にする傾向があるからです。一方、上司であっても年齢が近い場合には「本当に気遣わせたくない」と思っている可能性もあります。ただし、感謝の気持ちをつづった手紙を添えて新婚旅行のお土産を個別に渡す、誕生日などの節目にプレゼントをするというような別の機会における心配りはすべきです。
両親や兄弟など身内であっても結婚祝いのお返しはきちんと贈るのが基本です。たとえば両親に対しては、結婚披露宴でそれぞれの両親に宛てた感謝の手紙を読んだ後、贈り物を渡すこともありますよね。結婚祝いが高額すぎて2分の1(半返し)相当のお返しが難しい場合は、無理のない範囲でネームや結婚日などを記したフォトフレームや時計、伝統工芸品のお茶碗や湯呑など記念になるものを贈るとよいでしょう。
結婚は親から独立し、新しい家庭を築いていく人生の大きな門出の一つです。だからこそ、結婚祝いを贈る側としては「新郎新婦に経済的な負担や気苦労を与えたくない」と考えることもあるでしょう。相手との関係性をしっかりと考慮した上で、もしお返しが不要なのであればはっきりと意思を伝えるにしましょう。また、結婚祝いのお返しが不要であると伝えられた側は、相手との関係性も考えてその本心を慎重に判断するべきです。もしお返しを贈らない場合も、別の機会にプレゼントを贈るなどしましょう。