記事公開日:2023年2月14日
最終更新日:2023年2月14日
赤ちゃんが生まれてはじめて迎えるお節句は特別なイベントです。特に、祖父母は、かわいい孫のために何かをしてあげたいと思いますよね。そこで、祖父母からの初節句祝いについて、お祝いの相場やおすすめのプレゼント、ご祝儀袋やのし紙の選び方・書き方など、知っておきたい基本マナーをご紹介します。
季節の変わり目などに、ケガレをはらい、お祝いする日を節句といいます。3月3日の桃の節句と5月5日の端午の節句が有名ですが、1月7日は七草の節句、7月7日は七夕の節句、9月9日は重陽の節句と呼ばれ、昔から大切な年中行事として人々に親しまれてきました。
桃の節句は女の子、端午の節句は男の子の成長を祈願するものとして大切にする人が多く、特に赤ちゃんが生まれてから最初に迎える桃の節句(女の子の場合)と端午の節句(男の子の場合)は、初節句として盛大にお祝いされています。
桃の節句は“上巳の祓い”ともいい、かつては紙や藁で作った人形に自身の厄を移して川に流していました。そのうち、紙や藁で作った人形は女の子がひいな遊びに使う着飾った人形に取って代わられ、江戸時代には人形を川に流さずに家に飾り、女の子の無事を願う行事として定着しました。
もともと端午の節句は、菖蒲湯に入ったり、軒先に菖蒲を吊るしたりすることで、邪気を払う行事でした。それが鎌倉時代になると菖蒲が尚武(武術を重んじること)に通じるとされ、しだいに男の子の健康を祝うものへと変わっていったと言われています。
3月3日の桃の節句には女の子がいる家ではひな人形や桃の花を、5月5日の端午の節句には男の子がいる家では五月人形やこいのぼり、菖蒲の花などを飾ってお祝いをします。
ひな人形は7段15人飾りが一般的ですが、住宅事情に合わせて小さめのサイズを選んでも構いません。ただし、奇数段になるように気を付けてください。
五月人形は、かつては3段飾りが一般的でしたが、最近ではコンパクトなものが主流になっています。鎧兜のほか、歴史上の英雄や豪傑などの人形を飾ることもあります。
節句を祝う人形などは、初節句の際に母方の実家が贈るのが習わしです。とはいえ、最近では誰が用意するということにはこだわらず、両家で話し合って決めるケースも少なくありません。父母ふたりで用意する、両家の実家が折半するなど、家族みんなが納得できる方法を選びましょう。
節句の人形は2~3週間前(二十四節気の「雨水」に飾るのがよいとされています)に飾るのが習わしです。初節句の場合は1カ月前くらいから飾るので、贈る場合は初節句の1カ月前には届くように手配したいものです。
初節句では祖父祖母やおじおばなど身近な人たちを招き、お祝いの会食を行うのが一般的です。人形やお祝い品などは、その際にみんなに披露します。おもてなし料理は桃の節句では、ちらし寿司とはまぐりの吸物が定番。ひな段には白酒を供えます。端午の節句では特に決まったものはありませんが、柏餅やちまきを供えることが多いです。
2月生まれの女の子や4月生まれの男の子は、初節句のときにはまだ0~1カ月の生まれたての赤ちゃん。このような場合は、初節句を翌年に行っても問題ありません。いつ行うかについては、父母だけで決めるのではなく、両家の祖父祖母とも相談して決めるとよいでしょう。
初節句祝いは祖父祖母の場合、人形を贈ることが多いようです。この場合、人形そのものを贈るケースと、現金を渡して好きな人形を買ってもらうケースがあります。また、一方の実家で負担するのではなく、両家で負担し合うケースも。ちなみに、人形の価格はひな人形で5万〜30万円、五月人形で3万〜20万円、こいのぼりで1万〜10万円。なお、どちらか一方の実家が人形を購入する場合、両家でお祝い金の額が極端に異ならないように、注意した方がよいでしょう。人形を購入しない場合は、お祝いは現金で贈っても、品物で贈っても、どちらでも構いません。
初節句祝いで現金を贈る場合はご祝儀袋に入れます。ご祝儀袋はのしと、赤白の蝶結び(花結び)の水引が飾られたものを選びます。水引の本数は慶事の場合は5、7、9本が一般的。5万円以上の高額を包む場合は7本、1万円以下であればのしや水引が印刷されているものでよいでしょう。
表書きは「御祝」または「初節句御祝」「祝 初節句」などとします。、縁起を担ぐ人は表書きの4文字を嫌うこともあるので、「祝」の下に1文字分空白を入れるとよいでしょう。買ってもらいたいものがはっきりしている場合は「雛様料」「兜料」と書きます。贈り主の氏名は下段に筆または筆ペンで書き入れます。
品物を贈る場合は、のしと水引が印刷されたのし紙を掛けます。水引や表書きはご祝儀袋と同様です。のし紙は包装紙の下に掛ける内のしと、包装紙の上に掛ける外のしがあります。どちらを選んでも構いませんが、配送する場合は、内のしにした方が汚損の心配がありません。
ひな人形や五月人形、こいのぼりを贈る場合は、勝手に選ばずに、事前にパパママの意向を確認した方がよいでしょう。よかれと思って大きく立派なものを贈っても、贈られた方は部屋のサイズに合わず持て余してしまうかもしれません。
人形以外の品物なら、赤ちゃんの洋服やおもちゃ、絵本など、赤ちゃんに関するものがおすすめです。身に着けるものを贈る際は、少し大きめのものを選ぶとよいでしょう。お祝いの会食に招待されている際は、事前に相談をして、その場で食べられるデコレーションケーキやお菓子、フルーツなどを持って行ってもよいですね。
ちなみに、初節句祝いの内祝い(お返し)は、会食に招待した場合は基本的には不要とされています。
丸・三角・四角・台形などのいろいろな形のビーズで遊んだり、動物たちを動かしたり、ビーズと動物で物語を作ったりと、長く遊べるおもちゃです。かわいらしい動物に、子どもたちも喜びます。
絵本とおもちゃがセットになった、親子で楽しめるおもちゃです。絵本のストーリーに沿って遊べば、物語の主人公の気分が楽しめます。
優しい色合いに、BEAMS DESIGNのロゴ刺しゅうアップリケとストライプのパイピングがアクセントになったスタイ・Tシャツ型タオル・ベビーポンチョのセット。
木の肌触りが心地よいオーソドックスな積木セットです。祖父母から贈る赤ちゃんのはじめてのおもちゃにおすすめです。
かわいい牛をモチーフにした木製の四輪バイク。 シンプルなデザインとかわいいキャラクターが人気です。
大切な孫の初節句は祖父母にとっても心躍るイベントです。ただ、ひな人形や兜など大きなものを贈るときは、必ずパパママに確認し、両家で方針や贈る方法を相談してから決めましょう。初節句が両家みんなにとって素敵な思い出になりますように。
岩下宣子さん マナーデザイナー
「現代礼法研究所」主宰。NPOマナー教育サポート協会理事・相談役。全日本作法会の内田宗輝氏、小笠原流・小笠原清信氏のもとでマナーや作法を学び、マナーデザイナーとして独立。企業や学校、公共団体などで指導や講演会を行うほか、多数の著作も手掛ける。