記事公開日:2023年1月18日
最終更新日:2023年1月18日
子どもの入学に際しては、近しい親族から入学祝いをもらうことがあります。入学祝いは子ども本人に贈られるものですが、お礼をするだけの経済力はもちろんありませんので、基本的にお返し(内祝い)は不要とされています。とはいえ、そのまま何もしないのは気が引けると考える人は多く、何らかのお返しをするのが普通になってきました。ここでは、失礼にならない入学祝いのお返しマナーをご紹介します。
内祝いとは本来「身内のお祝い」のことで、おめでたいことが起きると親族や親しい間柄の人たちを招いて、喜びを分かち合うのが一般的でした。その際に飲食を共にしていたこともあり、今でも内祝いにはグルメギフトやお菓子などが多く選ばれています。。
お祝いを受け取る相手が収入のない子どもということもあり、基本的にはお返し(入学内祝い)は不要とされています。ただし、何かをいただいたら相応のお返しをするのがマナーと考える人も多く、判断は親族ルールに委ねられているのが実情です。原則にしばられず、「渡したい相手には渡す」という考え方でもいいのではないでしょうか。
基本は不要とされていますが、お祝いしてくださった気持ちに対するお礼(内祝い)はきちんとしておいた方が、今後の円満なお付き合いにもつながります。相手が固辞する場合でも、きちんと感謝を言葉にして伝えておくことをおすすめします。
「内祝いの品物の金額相場は、いただいた入学祝いの半額~3分の1が目安です。ただしお祝い額があまりに高額な場合は、原則通りにお返しすると結構な金額になってしまいますし、高価すぎるお返しはかえって失礼にあたることもあるので、できる範囲で検討を。
もともと「身内と飲食を共にしながらお祝いする」のが内祝いの始まりですから、おすすめはやはり食品系のギフト。お米や赤飯、日持ちのするお菓子、紅茶やコーヒー、ジュースなどのドリンク、ごはんのお供など、相手の年代や嗜好に合わせて喜ばれる内祝いを選びましょう。日本国中のおいしいグルメを集めたカタログ式ギフトなどもいいですね。
お返しとしての内祝いは、入学式が済んだ後3週間~1カ月以内に贈るのがマナー。早めにお祝いをいただいていても同様です。万が一、何カ月も前に渡されたら、速やかにお礼を伝え、入学式後に改めてお礼を贈る旨を伝えておくと安心です。
入学は何度あってもおめでたいことなので、繰り返し結び直せる「蝶結び」の水引(赤白もしくは金銀)が付いた掛け紙を品物に掛けて贈りましょう。品物で贈る場合は配送時に贈り物が汚れたり破れたりしないよう、のしは「内のし」にします。
のし紙の表書きは「内祝」もしくは「入学内祝」とし、水引の下にはお祝いを贈られた子どもの名前を記載します。フルネームでも構いませんが、小学生は下の名前だけを入れる人が多いようです。間違って親の名前で贈らないよう気を付けてください。
感謝の気持ちを込めて贈ったはずの入学内祝いなのに、相手の気分を害すことになっては本末転倒。まず忌み言葉を含む品物は避けた方が無難です。
例えば「くし」は「苦」や「死」を連想させますし、ナイフなどの「切れる」もの、繊細なガラス製品といった「割れやすい・壊れやすい」ものは、お互いの縁を切るという意味でタブーとされています。弔事に使われることの多いお茶も気にする人は気にするので、できれば避けたいところです。
また、お祝いごとの贈り物なので、ギフト用のパッケージも暗い色より華やかな印象のものを選びましょう。
入学祝いをもらったら、「入学内祝い」としてお返しをしましょう。親からのお礼状に加え、子どもが書いた手紙や絵、入学式の写真などを添えて感謝の気持ちを表したいもの。大事なのは子ども自身がきちんとお礼を伝えること。親子でお礼の伝え方を一緒に考えてみるよい機会にもなります。
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岩下宣子さん マナーデザイナー
「現代礼法研究所」主宰。NPOマナー教育サポート協会理事・相談役。全日本作法会の内田宗輝氏、小笠原流・小笠原清信氏のもとでマナーや作法を学び、マナーデザイナーとして独立。企業や学校、公共団体などで指導や講演会を行うほか、多数の著作も手掛ける。