初節句のお祝いにお返しは必要?知っておきたい基本のマナー

初節句のお祝いにお返しは必要?知っておきたい基本のマナー

初節句とは赤ちゃんがはじめて迎える節句のことで、女の子は3月3日の桃の節句、男の子は5月5日の端午の節句を家族や親戚と一緒に祝います。祖父・祖母といった身内からは雛飾りや五月人形、こいのぼりなどをプレゼントされることが多く、初節句当日は贈られた人形などを飾り、子どもの健やかな成長を願いながら食事をするのが一般的です。中にはお祝いの席に招待しない人からお祝いをいただくこともありますが、その場合は相応のお返しを用意する必要があるので、基本のマナーを覚えておきましょう。

初節句のお祝いにお返し(内祝い)は必要?

初節句のお祝いは、現金のほかに女の子なら雛飾り、男の子は五月人形やこいのぼりなどをいただくことが多いようです。子どもの成長を祝うことに対しては、基本的にお返しは必要ないとされていますが、両家の祖父・祖母をはじめ、きょうだい家族など近しい親族と一緒にお祝いのお膳を囲むことでお返しになるのです。

親族以外の人や遠い親戚などからお祝いをいただいた場合は、「内祝」ののし紙を掛けてお返しをします。目安はいただいたお祝いの半額~3分の1程度。まずは受け取って3日以内にお礼状で感謝を伝え、初節句が済んだ後で内祝いの品を贈りましょう。

なお、内祝いに関するしきたりや慣習は地域によって異なることもあるので、迷ったら親など周囲の人にも確認してみてください。

初節句のお祝いをいただいたら、いつ頃どんな形でお返しをすればよい?

初節句の席に出席しない人からお祝いをいただいたら、初節句が無事に済んでから3週間~1カ月以内にお返しをします。受け取った時点で電話をして感謝の気持ちを伝え、3日以内にお礼状も出しましょう。節句の人形などを贈ってくれた祖父・祖母に対しては、品物でお返ししても構いません。遠方に住んでいてお祝いの食事を共にできない場合には、感謝を込めて内祝いの品を贈りましょう。

初節句のお返しは何がよい?NGの品はある?

初節句のお返しを品物でする場合には、スイーツやドリンクの詰め合わせ、料亭の味といった食べ物・飲物のほか、縁起がよいとされるお赤飯や豆菓子、タオルなどの日用品もおすすめです。好みがわからない場合はカタログ式ギフトを贈ってもよいでしょう。マグカップなどギフト自体に赤ちゃんの顔をプリントするアイデアもあります。

さらに初節句のときの写真や、赤ちゃんの顔写真が印刷されたメッセージカードなどを内祝いの品に添えて贈ると喜んでもらえそうです。

<お返しに適さないもの>

・ハンカチ……別れの涙を連想させるため
・日本茶……香典返しなど弔事で用いることが多いため
・時計……「勤勉に」という意味があるため目上の人には不向き
・くし……響きが「苦」や「死」を連想させるため
・現金……目上の人に渡すのは失礼にあたるため

お返しの金額はどのくらいが相場?

いただいた初節句のお祝いの半額もしくは3分の1程度がお返しの品の目安です。祖父・祖母からは高額なお祝いをいただいた場合は、相応のお返しだとお互いに負担になるので、半額や3分の1という原則にこだわらず、できる範囲で検討しましょう。

基本的には、初節句をお祝いする食事会を開くことがお返しになりますが、プラスアルファで何かをしたい場合は、お菓子などを手土産として用意しておく方法もあります。

お返しの「のし紙」はどうする?

お返しは内祝いの名目で贈るため、のし紙が必要です。何度繰り返してもよいおめでたいことなので、水引は「繰り返し結べる」赤白の蝶結び(花結び)を用いましょう。表書きは「内祝」でも構いませんが、女の子なら「桃の花」、男の子なら「菖蒲」と書くと風流で素敵です。また、お祝いは親ではなく子どもに贈られるものなので、名入れは赤ちゃんの名前にします。

まとめ

初節句は身内だけでお祝いするものなので、お返しは基本的に必要ありません。ただし、お祝いの食事の席にお招きしていない方からお祝いをいただいた場合は、「内祝」もしくは女の子なら「桃の花」、男の子なら「菖蒲」という表書きを添え、赤ちゃんの名前を入れてお返しを。赤ちゃんの健やかな成長を伝えるお礼状も添えて贈りましょう。

監修

岩下宣子さん マナーデザイナー

現代礼法研究所主宰。NPO法人マナー教育サポート協会理事・相談役。企業をはじめ、学校・商工会議所・公共団体などで、マナー指導や講演などを行う。「マナーとは相手を思いやること」を信条に、ゼクシィでも悩める花嫁さんへの愛あるアドバイスでおなじみ。マナーに関する著書多数。